ずるい考え方と聞くとなんだかよくないように聞こえる。
中身はそういった話ではない、タイトルのつけ方が「ずるい」と感じた。
ラテラルシンキングとは
簡単に言うと「自由な発想」
ロジカルシンキングは論理的に筋道を立てて深堀して考える思考だが、
ラテラルシンキングは水平思考で発想の自由度が高い。
ロジカルシンキングでは問題を解決するときに問題を深堀して、対策として何かを足すということが多いと思うが、
ラテラルシンキングは「逆になくしたらどうか」とか「逆にもっと問題が起きそうな状況にしたらどうか」と発想する。
ロジカルシンキングを否定するわけではなく、どちらも使うことで幅が広がる。
ラテラルシンキングで思考を広げ、ロジカルシンキングで深堀することが大事だ。
ラテラルシンキングに必要な力
1.疑う力
固定概念にとらわれると自由に発送できなくなり、思考停止してしまう。
・前提を疑う
・先入観を疑う
「~であるべき」「~になるはず」
ではなくとにかく疑うことで
「そもそもなんでこうしているのか」
「逆に〇〇はどうか」
「本当に?」
と考える
例題1
例えば有名な例題で
「遊園地のアイスクリーム屋の前にカップのごみが散乱してしまう。どう対策するか?」という問題がある。
ロジカルシンキングでは、
ごみ箱を増やす。ごみの回収を増やす。ゴミ箱に捨てるように看板を立てる。ごみを捨てられないようキャストを立たせる。
と、主に何かを増やすことを考えるだろう
その前にラテラルシンキングで
「そもそもゴミが出なければ捨てられることはない」とカップの販売をやめてコーンだけにする。
とか
「そもそもなんでゴミを捨てるんだろう」考え、ごみをゴミ箱に入れるとポイントが付くシステムにする。
とごみをちゃんとした場所に捨てることでお得になるようにするとか
「捨てにくいようにできないか」と鳥居を立てるという発想もある。
罰が当たるのでちゃんと捨てようと心理が働くのだ。
例題2
子供二人にオレンジ3つを均等に分けるにはどうすればいいか
普通に考えると
・子供に1個ずつオレンジをあげて、残り1個を半分にしてあげる
とか
・秤を使って同じ重量にする
とかになると思う。
ラテラルシンキングではそもそも固形で分ける必要がないなら
・ミキサーでジュースにして均等に分ける
とか
そもそも今すぐ分ける必要がなければ
・オレンジの種を植えてたくさん実ったのを分ける
とか
・子供に1個ずつあげて残り1個は自分が食べる
とか
そもそもの前提を疑う
2.抽象化する力
物事の本質を見抜くことで発想が広がる。
※抽象化とは・・・対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る方法である
例えば鉛筆の機能の本質は何か
→「書くこと」
つまり鉛筆の芯が折れて書けなくなると本来の機能を発揮できなくなる。
何かを書こうとして、
折れた鉛筆に対して行うことは「削って芯を出そう」となる。
そこで、書くという行為を抽象化すると代替品が見つかる。
「シャープペン」「ボールペン」「マーカー」「万年筆」など
もしくはパソコンで入力してプリンターで出力でもいいかもしれない。
つまり「鉛筆が折れたので削らなければならない」ではなく、
代用できるもので「代わりにパソコンで入力してプリントアウトしよう」と発想を広げることができる。
つまり
対象「鉛筆」→抽象化「書くこと」→具体化「パソコンで入力してプリントアウト」
といった感じである。
本質の代替品を考える
とあるジョーク話。
宇宙では無重量なのでボールペンが使えない。
NASAは無重力でも使えるように莫大な開発費をかけて無重力書けるボールペン開発した。
一方ソ連では鉛筆を使っていた…
無重力で書けるボールペンの技術がさらに何かに発展する可能性もあるが、
「宇宙で文字を書く」ことに限って言えば鉛筆を使った方が早いし安かったということになる。
本質の見方を変える
本質も1通りではない。
例えば「新聞」について抽象化すると
普通に考えると「情報を伝える物」といったことになるだろう。
しかし、本質の見方を変えると
「包むもの」「敷くもの」「汚れを防ぐもの」「火をつける物」「防寒具」
といった用途が考えられる。
そういった形で
1つの物に対して30通りの使い道を考えてみる
3.セレンディピティ(素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること)
日本語に訳しにくい言葉だが、「何かを探しているとき偶然に別の価値のあるものに出会う」という感じだ。
たとえば、
小麦のおかゆを炎天下に放置して偶然できた「パン」
飲み水の代わりにブドウの果汁を瓶に入れていたら自然に発酵してできた「ワイン」
といった形で
「偶然起こったことを偶然として無視しない力」になる。
感性を研ぎ澄ませ当たり前のことにも感動して驚けるようになると磨かれていく。
常に驚き、感動する
最小の力で最大の効果を出す
A→B→Cと順を追って解決するロジカルな発想ではなく
A→Zと最短距離を志向する
他者の力を借りる
有名な話を例にすると
「トム・ソーヤの冒険」が該当する。
トムはおばさんからペンキ塗りを任されます。
トムは遊びたいので本当はやりたくなかった。
そこで楽しそうにペンキ塗りをすることでトムを冷やかしに来た友達が興味を持ち、
「ちょっとやらせてよ」と頼む友達をわざと拒むことで、争うようにペンキを塗り始め
あっという間に作業がおわり、トムはほとんど何もせず、おばさんからも褒められた。
ポイントは相手にやらされていると気づかれてはいけない。
誰かの利益のためにやっているとわかると人は手伝おうとしない。
作業を組み合わせる
一つの作業に別の作業を組み合わせることで手間を省く。
フォークリフトで、荷物をはかりまで運び、重量を計測していたのを
フォークリフト自体にはかりをつけ、運びながら計測する。
など一つの作業でほかの作業もできれば効率が良くなる。
楽する権利を手に入れる
権利さえ手にしてしまえば、周りがどんなに苦労しても自分は汗を流すことなく利益を手に入れられる。
今でいうところのメルカリやヤフオクなどのシステムを作ったら
あとは利用者が売買してくれるだけでシステム利用料が入ってくる。
とか
あるツールを作り、毎月定額会員に登録することで使用できるようにする
といった感じか。
まとめ
往々にして学校でも職場でも「~しなければならない」「~であるべき」ということを言い聞かされて
型にはめられて手段を目的にしてしなって暮らすことが多い。
まずは大人になり、凝り固まった頭をほぐすことが大事だ。
そこから本質を見つめ、改善できるように発想することで飛躍的に時間を節約することができる。
それではまた次回。