今回はプロフェッショナルの原点の最終回、後半を解説する。
最も重要なことに集中する
時間の不足という現実に対処しながら成果をあげる方法は、
何が最も重要であるかを決め集中して一つ一つ片づけていくしかない。
優先順位を決めて、役に立たないものを捨てなければならない。
そのために何をやらないかを決める劣後順位を決めることだ。
状況に流されて優先順位を決めてしまえば重大な機会は失われ、本来なされるべき仕事は一向になされない。
自分の強みを重要な機会に集中し、一度に一つのことしか行わない。
その結果、いろいろ同時に行うよりも少ない時間で済む。
常にもっとも重要なことを最初に行う癖をつける。
捨てる
生産的でなくなった過去のものを捨てることが大事だ。
リーダーにとってどこでやめるかを判断することが重要だ。
さらに一押しするのか、いくら押しても無駄なのかわかっていなければならい。
自分の仕事と部下の仕事を定期的に見直し、必要かどうか無条件でイエスでない場合は、
やめるか大幅に縮小すべきである。
特に人材という希少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。
ルールを決めて体型的・意識的に廃棄を行わない限り、組織は次から次へと仕事に追われる。
もはや行うべきでないことに最高の資源を浪費することになる。
生産的でなくなった過去の物のために資源を投じてはならない。
陳腐化し、価値を生み出さなくなったもの、明日を邪魔するものを見つけ廃棄のための実行計画をする。
考えてみれば当たり前のことだが、今までと同じことをやりながら、新しいことを初めるとするとより時間が必要になる。
新しいことを始めるには必ず何かを捨てない限り時間が不足するのは目に見えている。
状況に流されない
状況に流されて優先順位を決めると本来の重要仕事は全くされなくなる。
重要な仕事はだいた今日とは違う明日を創り出すことが多い。
そのため、後回しにしようと思えば簡単にできる仕事なのだ。
そのため目の前の、期限が迫りひっ迫した昨日の仕事を優先する。
立場が上になればなるほど大勢の人がやってきて何かを求める。ドアを閉めても入ってくる。
どこか秘密の場所で一人で考えなければならない。
劣後順位をきめて取り組むべきだない仕事を決定する。
延期した計画を後日取り上げることほど好ましくないものはない。
延期は破棄を意味する。一度延期したものを復活されることは失敗を意味することが多い。
それゆえ劣後順位の決定をためらわせる。
だが、すべてを受けいれることは何も仕上げられず、何もしないと同じだ。
何かを成し遂げるにはノーと言うことができなければならない。
優先順位の決定の原則
過去ではなく未来を選ぶ
問題ではなく機会を選ぶ
横並びではなく、独自性を持つ
無難で容易なものではなく、変革をもたらすものを選ぶ
意思決定を的確に行う
意思決定を行う能力は、知能労働者にとって成果をあげる能力そのものである。
トップだけ行うべきものではなく、組織に働くほとんどの者が何かしらの方法で意思決定を行い、
積極的な役割を果たさなければならい。組織に意思決定を求められている問題は何か?
また大事なことは、
必要のない意思決定は行わない。
何もしないと事態は悪化するか?
何もしないと機会を失うか?
そうでなければ急いで意思決定する必要はない。
意思決定後は今までのシステムに変化があり、それに携わる者たちに影響を及ぼす。
問題の根本をよく理解して重要な意思決定に集中しなければならない。
決定の速さを重視してはならない。
問題の種類を判別する
意思決定する際の問題に対しての考え方として、
まずは問題の種類について考える
- 一般的な問題か、例外的な問題か?
- 何度も起こることか、個別に対処すべき特殊なことか?
- 一般的な問題だが新しい種類の最初の症状か
次に本当の問題は何か本質を考える。
- 満たすべき必要条件は何か?どうすれば満足できるか?
- 正しい解決策は何か?妥協するかどうかはその後決める。
- 組織全体にとって良いことか?
この問いに答えるプロセスで、成果に結びつく可能性のある答えを得ることができる。
行動に取り組む
意思決定をした後は行動に変えなければならない。
ここが一番時間がかかり、一番重要である。
決定するだけは誰でもできる。
それを具体的な手段として特定の者の仕事と責任になるまで計画し、
実行することを考えなければならない。
意思決定後決めなければならない4つのこと
- 実行の責任者
- 日程
- 意思決定により影響を受ける人に、理解し納得させる内容
- 影響を受けなくても、内容を知らなければならい人
そして意思決定者自ら現場に訪れ決定の結果を確認し、
定期的に見直すことで間違った決定であっても害になる前に修正できる。
意思決定のコツ
間をとろうとしない。意思決定はやるかやらないかだ。
意思決定は外科手術に例えられる。
意思決定をすることでショックが起こり他に影響が出る可能性がある。
手術はやるかやらないかで、中間の行動はない。
意思決定するには4つ項目を考える
リスク…決定後得られるものと冒さなければならないリスクを考える
経済性…最小の労力で最大の成果をもたらすものを考える
タイミング…緊急かどうか。緊急であれば組織中に知らせる必要がある
人的な制約…意思決定後に実行する人たちを考慮する
まとめ
常にもっとも重要なことを最初に行う癖をつける。
生産的でなくなった過去の物のために資源を投じてはならない。
必要のない意思決定は行わない。